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藤忍の欧州旅行記

3月23日

朝食

今朝も、6時に目が覚める。布団の中でガイドブックを読んだ後、起床して朝食をとる。ユースお決まりのパン・ハム・チーズ・シリアル。食欲が湧かないので、食パンを1枚にチーズとハムを乗せて食す。それにしても、白人はよく食べる。朝食から、食パン×5、シリアル、チーズ・ハム山盛り、パンケーキ、紅茶。紅茶にはミルクと砂糖が山盛りで、これを何杯もおかわり。軽く見積もっても、1,000kcalは超えていそうだ。よくもまぁ、朝っぱらから……これで太らないはずが無い。しかも――――だよ、これ。

かもめが餌を取り合うのを眺めながら、のんびり食べた後、出立。今日は、午前中はロッテルダムでフェイエの練習を見る予定だが、まだまだ時間はある。そこで、Huis ten Boschハウステンボスに行ってみることに。

とりあえず、HS駅まで行き、荷物を預けてから中央駅へ。

ハウステンボス
無論、会社更生手続き中の長崎のハウステンボスではありません。ベアトリックス女王の住んでいる宮殿です。

ハウステンボス

地図によるとハウステンボスは、ハーグ中央駅から東に緑地帯を3kmほど行くとあるらしい。昨日、買った路線図(0.5e)によれば、バスも通っているらしいが、とりあえず行きは歩いてみることに。

この緑地帯、幅約500m、長さ3000mぐらいで中央駅のそばから東北東の方向に伸びています。なにも、この緑地の中を通らずとも、普通に道路を通っていけば着けるのですが、せっかくなので緑地の真中を進むことに。が、入ってみると、緑地ではなく林でした。


駅のすぐそばにこのような林が。中では都会の喧騒を忘れられます。静かだ。


オランダでは、どこに行っても色んな鳥を見かけましたね。

で、30分ほど歩いてハウステンボスに到着。


女王陛下のおわすハウステンボス。外から拝んでおしまい。

フェイエの練習開始時間も気になるので、帰りは近くのバス停からバスで戻りました。

デカイプへ

中央駅でバスからトラムに乗り換えて、デンハーグHS駅へ。そこから、ロッテルダムに向かう。一度下見に行った成果もあって、スムーズに進む。

ロッテルダム中央駅から、フェイエノールトの本拠地であるDe Kuipデカイプ(Feyenoord Stadion)までは、かなり距離があるようで、ガイドブックによると49番のバスに乗れとのこと。これまた昨日貰っておいた路線図によれば、間違いなさそうなの(ワーテルローでの失敗があるので慎重)で49番のバスを探すことに。

49番のバス停を発見! 運転手にガイドブックを見せながら、デカイプに行くか? と尋ねる(やはり慎重)と、この人、英語がかなり苦手なようで何を言ってるのか良く分からないが、「とにかく23のアレに乗れ! 」と行っている。アレってトラムのことか? と聞くと、どうもそのようなのでバスには乗らないことに。

う〜ん。路線図を見る限りでは49のバスも行くようだが……、確かに23番のトラムも近くを通っている。ここは大人しく指示に従っておこう。すぐに走行中の23番のトラムを発見するも、停留所の場所が分からず乗れず。informationでどこで乗ればいいかを聞いてようやく乗り込む。

チケットを買っていなかったので、車内でチケットを購入することに。しかし、このトラム、なぜかは知らないが、運転手の他に職員が3人も乗っている。この人たち、何やってるんだ? と思ったら、切符売ってました。……オイオイ、これじゃぁ絶対赤字だって。まぁ、それはともかく、デカイプまで生きたい旨を伝えると、「お前はその後どこに行くんだ? どっか行くならオランダ中で使える1日券がお得だぜ! 」と熱心に勧めるので、それを購入。ついたら教えてくれるように伝えると、いろいろと話し掛けてくる。

「よう、フェイエの練習見に行くのかい? 」

「お前は、誰のファンなんだ? ソン(韓国人)か? 」

「おー、小野はいい選手だ! 」

ちょっとうるさいが、親切心で話し掛けてくるので仕方ない。つーか、働けよ……。そもそも、3人もいらんだろうに。

フェイエノールト

そうこうしているうちに、係員が「よー、着いたぜ! 」と教えてくれたので、礼を言って下車。停留所の目の前にデカイプ。所要時間は10分ほど。うん、バスで行かなくて正解。やっぱりガイドブックは当てにならない。


こちらがデカイプ。近代的なスタジアム。
すぐ横(左手)に練習場があります。

さっそく、練習場に行ってみると、何やら若手選手2名がコーチと練習に励んでいます。

……?? これが練習? 他の人はお休みですか?


何やら、若手が2人コーチにしごかれています。


2人をしごく鬼コーチの表情も、選手が少ないせいか寂しげ。

しかし、取り囲んでいる子供達が帰らないところを見ると、どうやら本当の練習はこれからのようです。彼ら2人は、ただしごかれていただけなのか? グッズショップに入ったりして待つこと30分ほど。10:30ごろに、子供達の歓声が上がり、選手たちが現れました。

(フェイエのグッズショップは、アヤックスやPSVに比べて、安いグッズが豊富で良いです)


ようやく選手登場。
見物人は少ないので、選手は快く応じてくれます。

で、ここで小野発見。写真を一緒にとってもらうか、サインをもらうか迷うも、たまたまフェイエのノートを買ったばかりだったので後者を選択。どさくさに紛れてサインゲット。ちなみに、小野は子供達にはあまり人気無し……。うーむ。


小野のサイン入り、ノート。


練習開始。はしゃぐ小野。


練習風景。天気悪し(小雨)。


もめてるわけでは……ないと思う。


右が監督、左がコーチ。


最初にしごかれていた2人のうちの1人。なぜかまともな練習には不参加。
暇そうだったので、サインを貰う。


どことなく天に似ているソン選手。

で、その後1時間ぐらい練習を見てました。股間を押さえて必死に走り回る鬼コーチとか、いろいろと面白いシーンもあったのですが、カメラに収められなかったのは残念。寒いし、飽きてきたのでお昼前に退散しました。

股間を押さえて必死に走り回る鬼コーチ
練習の一つとして、「鬼ごっこ」がが行われていた。この鬼ごっこ、タッチされたら鬼になるのだが、その際、片手でタッチされた部分を押さえながら追いかける。最初のうちは、頭や、腕、背中、等で平和だった。
が、ある選手が、鬼コーチをコーナーに追い込むもなかなかタッチしない。何をしているのかと思ったら、間合いを詰めてコーチの股間にタッチ。コーチは左手で自分の股間を押さえながら走り回ることに。しかし、片手しか自由が無いこと、コーチはもう若くないこと、などの理由から、全くタッチが出来ないまま、時間は経過するのであった……。

ロッテルダムは昨日けっこう見ているので、もうハーグに戻ることに。途中、雹が降る。オランダは寒い。

デルフト

IC(特急)でデンハーグまで戻る予定だったのですが、何を間違ったか鈍行に乗車。せっかくなので、ロッテルダムとハーグの中間に位置するDelftデルフトで下車する。この町は、タイルと焼き物で有名な町だそうです。


デルフト駅。小さな町でも駅舎は立派。

とりあえず、小さな町なので徒歩で一回りすることに。


旧教会。塔が明らかに傾いている。


市庁舎。


東門。公園になっていてとてものどか。


片足で立つ鳥。

ここにも、鳥が沢山います。

この町は、オランダ建国の祖、オラニエ公ウィレム1世(オレンジ公ウィリアム1世)が住んでいた町らしいのですが、彼にちなんだ物は得に無いようですね。

ヘタレラッパー

1時間半ほどで一回りできたので、帰ることに。帰りは駅前からトラムでハーグまで行くこととする。停留所で待っていると……。

ズンチャチャズンチャ……♪

?

パパンパンパパン……♪

??

なんか、変な白人が隣で妙な音を出し始めました(口で)。何やってるんだ? こいつ……と思ったら、何やらラップを歌いだす彼。周囲の冷たい視線などお構い無し。俺の横でノリノリで歌い続ける……

と、そこへ、ちょっと怖い感じの3人組が登場。ラッパーに冷たい視線を向けます。と、

パンパパンパンパパンン♪

ズンチャ、○×△■〜♪←ここで、ラッパー3人組に気づく。

パパンハンハンフフフ………………(フェードアウト。そして、去っていく)

情けねーな、おい。

アムスへ

トラムで30分ほどでハーグの中央駅へ。そこでトラムを乗り換えてHS駅に向かう。ロッカーから荷物を出して、ICに乗り込み、いざ3日ぶりのアムステルダムへ。

特に事件も無く、1時間ほどでアムステルダムに到着。アムステルダムはこれで2回目です。せっかく1日券を持っているので、トラムで宿まで行くことに。今回の宿は、ライツェ広場の南にあるユースホステル。前回よりも中央駅から遠い。場所も分かりにくかったが、着いてみるとラウンジが広く良い感じ。さっさとチェックインを済ませて部屋に荷物を置きに行く。

今度のユーズでもロッカーに施錠するためには南京錠が必要。持っていた小さいやつをはめようとするが、小さすぎてなかなかはまらない。力技で強引に入れると、ようやく入る。が、今度は外れません。ガチャガチャ弄りつづけること10分ほどでようやく外れましたが、これでは困る。仕方が無いので、観光がてら町に出て南京錠を調達することに。

(これは後日判ったことですが、ロッカーの扉の内側に南京錠はロビーのカウンターで売っています、と書いてありました。トホホ)

南京錠探し

とりあえず、中心部に繰り出す。が、南京錠などいったいどこで扱っているのやら解らない。これまでの行程で見かけたのは鍵屋と旅行用品屋と土産屋なので、この3種類を探して観光しながら歩き回ることに。


ダム広場前の王宮(左)と新教会(右)
この向かいには、戦没者慰霊塔があります。
ちなみに、中央の緑色の人は、芸人。


アムステルダム川を市庁舎前の橋より。
一つ向こうにマヘレの跳ね橋が見えている。
オランダは、本当に自転車が多い。


レンブラント広場にある、レンブラントの像。

しかし、これがなかなか見つかりません。鍵屋なんてそうそうあるものじゃありませんし、旅行用品屋も見かけません。土産屋はさすがに沢山有りますが、たまに南京錠を取り扱っていても、鞄につけるような非常に小さいやつのみ。これでは意味が無い。

雑貨屋やデパートなども入ってみるが見つからない。繁華街を通っていても見つからないので、駅に向かう。中央駅ならば、旅行用品店の1つや2つ入っているだろうし。歩いて駅まで向かう。

が、この駅が本当に何も無い駅。とても「中央駅」と呼べたしろものでは無い。そもそも、店がほとんど入っていない状態だから、旅行用品店など入っているわけも無い。困ったので、今度はのみの市に行ってみることに。何でもある、と言うことだから南京錠もひょっとしたらあるかも知れない。のみの市は市庁舎の周りの広場で行われているので、メトロで行くことに。

1日券を係員見せて、ホームに下りようとすると……。

係員男 「何だ、このチケットは?」

藤 「は? 切符ですが……」

係員男 「これじゃぁ、乗れないぞ」

藤 「は? さっき確認したら乗れるといわれたのですが?」

係員男 「いや、乗れない」

係員女 「あぁ、1日券だから乗っていいわよ。」

係員男 「ちょっと待て、そんな物無いだろう」

係員女 「○×△□※!!」(←オランダ語)

係員男 「○□△※×!!!」(←オランダ語)

係員女 「○×△※△□※!!」(←オランダ語)

係員男 「○×△※○□△※△※○×!!!」(←オランダ語)

以後言い争いが俺を放置して2分ほど続く。何言ってるのかわからないが、何でもめてるのかは解る。

係員女 「○×△※△×△□※!!」(←オランダ語)

係員室に上司の指示を仰ぎに行く女性係員。

係員女 「(勝ち誇ったように)OK 乗っていいわよ」

藤 「はぁ、どうも……。」

係員男 「(納得していない模様)……」

えっと、結論から言えば、このチケットはダフカールトというオランダ内8ゾーン(無制限)有効切符なので、乗れるで正しいのですが、これについて全く知らないおっさんが改札員をやっているという事実にちと驚きましたねぇ。

気を取り直して、のみの市へ。19日に来た時にも寄っているので、かってはわかっています。で、さっそく鍵探し。が……無いですね、鍵は。ようやく見つけたのは、バイクをロックするための異常にでかい錠前のみ。こんなものはさすがに使えないので、買うわけに行かない、高いし。他の物には全く興味が無いので、諦めて宿に戻ることに。この際、あの小さい鍵を無理やり使って凌ごう。

(後で分かったことですが、南京錠はtravel informationにありました)

途中で、商店街に寄るも高級ブランド品を扱う店ばかりで、南京錠などあるわけも無い。おまけに、またも雹まで降ってくる始末。そさくさと宿へ撤収。

再会

宿に戻るも、まだ時間が7時ごろなので暇。暇で仕方が無いので、1階のラウンジで現地のツアーガイドや、パンフレットを見て時間を潰すことに。……と、そこに現れたのは、ブリュッセルの1日目に同じ宿だったYさん。偶然は怖い。せっかくだから、居合わせた日本人4人で飯を食いに行きましょうということに。

ライツェ広場の近くの大衆的なレストランで食事を取る。注文はビール×4と、ムール貝のゆでたもの×2、ステーキ、スペアリブ、それに、パン。少しずつ分け合って、皆で食すことに。


こちら、俺の注文のスペアリブ。でかいのが3枚も……。12.5e

さすがはオランダ。巨人の多い国だけあって、食べ物のボリュームも多い。ムール貝は鍋に山盛り。スペアリブは3枚。オランダの飯は余り美味くはないという話でしたが、味も上々、美味しく頂きました。

その後……彼ら3人は、コーヒーショップ、そして飾り窓へと旅立っていきました。俺ですか? 君子は危うきに近寄らず、行ってたら書けませんよ。帰国の2日前にそんな店行く勇気無いし、そもそも煙草も吸わないのにマリファナって……。飾り窓も、俺の担当じゃないんで、風の賊王にお任せします。暇だったので、飾り窓を一回り見物するのには付き合いましたが……。いや、けっこう笑えますよ、あれはあれで、ただ、やる気には…ならないなぁ……。そういえば、おじいちゃん・おばあちゃんのツアーの御一行もなぜかいましたね。こんな所をこの時間に年寄りの集団が回っているのもどうか、とは思いましたが―――。

ちなみに、飾り窓の相場は 1 shot 50 euro だそうですヨ、賊王サン。

(マリファナはやると血中に証拠が残りますので、ご注意を。やらなくても、臭いが服に残ることがあるそうです)

ただ、飾り窓地帯から夜の9時過ぎに一人で帰るのは怖かった。この地区は犯罪多発地帯だし、一部の人通りのある通り以外は、かなり暗くなるし、おまけに道に迷うし。黒人にコカインを売られそうになるし。無論、走って逃げましたが。

滅茶苦茶に道に迷ったあげくようやく戻ると、ラウンジのテレビでチャンピオンズリーグのACミラン vs デポルティボ ラ・コルーニャ がついていたので、見る。後半の残り20分ほど。どうやらミランの圧勝のようだ。その後、部屋戻って、シャワー浴びて寝る。お休み。


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