今日も、6時に起きました。こっちに来て以来、必ず午前4時前に一回目が覚め、もう一度寝ると6時過ぎに目が覚めます。あんまり早くから動き回っていると、他の同室者に迷惑でしょうから、40分ぐらいベッドの中でガイドブックを読んでました。で、7時前に起床。
二段ベッドの上の段から降りると、なぜかは良く解りませんが、床に外人が転がっていました。転がっている、という表現は適当ではないですね。ご丁寧に、ベッドの2段目からマットを下ろして床に敷いて、その上で寝ています。高所恐怖症なんだね、多分。二段ベッドの上段が駄目というのは相当重症とみた。
朝食前に、荷物の確認をしていて、土産に買ったモーツアルトチョコと、エリザベータチョコが無くなっている事が発覚!どうやら、どっかのロッカーにおいて来てしまったようだ。あ〜あ、結構高かったのに。まぁ絶対に必要不可欠な物でもないし、仕方ないか……。モーツアルトチョコはオランダでも入手できるし。ついでに、バレンタインのお返しにと思って買っておいた小さい奴も全部なくなってましたとさ。これは返すなってことですかね?
ユースの食堂で朝食を取る。メニューは昨日と同じ。日本人がわりと沢山いるので、話をする。そのうちの一組の母娘はなんと俺の家の近所の人でした。う〜ん、世の中狭いね。
今日はルクセンブルクに行きたい(往復6時間かかる)のであまり時間もないので、談笑も程ほどにさっさと宿を出る。とりあえず、午前中の目的は
ワーテルローの戦い。
1815年に起こった、エルバ島を脱出し復位したナポレオンの指揮するフランス軍と、イギリス・プロイセン・オランダ・ベルギー連合軍の戦い。英軍を率いるのはウェリントン、普軍を率いるのはブリュッヒャー。蘭・白軍を率いたのはオラニエ公王子。緒戦は仏軍が英軍に勝利するが、普軍の来援まで耐えた英軍が最終的には勝利。両軍合わせて5万以上の兵士が死んだという。このあと、ナポレオンは退位し、その後セントヘレナ島に流され死亡する。
日本で言う関が原の戦いでしょうか。
…が、せっかく早く宿を出たのに、カメラのバッテリーを忘れていることに気づき戻る羽目に。貴重な時間をロスする。
打って変わって晴天に恵まれる。
……この晴天も長くは続かないのだが。
正面をまっすぐ行くとロジェ広場、右手には植物園がある。
ガイドブックによると、ワーテルローに行くにはループ広場からバスに乗ればよいとのこと。これを信用して、メトロを使ってループ広場まで行くことに。途中にネットカフェがあったので、よろうと思うも、潰れてました……。
で、ループ広場まで行くも……
全然人がいません。人がいないどころか、半スラム化しているような……? 何ですか、これは? バス停らしきところで、時刻表を見てみるも、たまたま車できた黒人にクラクションを鳴らされ、「そこはもうバス停じゃねーぞ!」と怒鳴られる。怖いよ黒人。よく解らないが、バスは廃止されたらしい。仕方がないので、Travel Information で聞くことに。この町では
で、グランプレスへ。ここは、昨晩も来たのですが、かのヴィクトル・ユーゴーが「世界でもっとも美しい広場」と賞賛したところらしい。美的感覚に乏しい私めが言うのもアレですが、ナポレオンが「世界で最も美しい広間」とたたえたと言うヴェネツィアのサンマルコ広場のほうが、はるかに凄い気がします。別に、ナポレオン好きだからそう言うわけではなく、素で。
つーか、すぐに「世界で一番」とか言い出す欧米人って不遜じゃありません? お前は世界を全てみたのかと小一時間……(略)。
右手が市庁舎。
市庁舎の左の道をまっすぐ行くと、かの小便小僧がいます。
こちらは市庁舎の向かい側。
左端が王の家(王様が住んでいるわけではない)。
早くも、天気は崩れ始めてます。
今回は、ここを見に来たわけではないので、写真撮影もほどほどに、王の家の裏のinformationへ。ガイドブックを見せ、ワーテルローにはどうやって行くのか聞くと、南駅からWというナンバーのバスに乗ればいいとのこと。う〜ん、ガイドブックの情報は古かったのね。
教訓:「ガイドブックはあまり信用するな。現地で聞くのが一番」
ようやく行き方が分かったので早速、メトロで南駅に向かう。ところが、この南駅、やったらとでかいんだわ。まぁ、TGVの発着駅でもあるので当然と言えば当然なんだけど。広すぎて目当てのバス停がどこにあるか分からない。
おまけに、駅の周辺で日用品市をやっていたので、見てみたい誘惑に駆られて、市場へ……。30分ほどぶらぶら歩いて、靴下を購入。
市場をひやかすのにも飽きたので、バス停を探すも分からない。しょうがないので、その辺のバスの運転手に聞いてみるも、英語を話せないらしく、通じない。どうやら、「駅のinformationで聞け」と言っているらしいので、そちらに向かうことに。……しかし、今度は駅のinformationの場所が分からんのです。で、更に30分ほど彷徨って、ようやく発見。早速No.Wのバスのバス停の位置を聞く。と……
「そこから駅を出て、Left and Leftと行ってください。」
という。Left and Left ということは、つまり、左に二回曲がれということだな……、ということで、その通りに行くも、これは違うバス(近距離バス)のバス停だよ。俺が乗りたいのは中距離バスだって……。仕方ないので、もう一度自分の足で探すと……駅を出て、ずーっと左に行ったところにありました。なら、2回もLeftって言うなよ……。
ここまでで大幅な時間ロス。もはやルクセンブルクは諦めるしかない……。
ワーテルローまではバスで1時間ほどらしい。運転手に行き先を確認し、着いたら教えてくれるように頼んで乗車。中距離バスなので、1日券は使えず。料金は3eなり。
50分ほど行くと古戦場跡に到着。しかし、石畳の道路では自動車揺れるね。もう、酔っちゃいましたよ。で、降りると、うん、確かに写真で見た丘が見えます。
こちらがライオンの像の丘。
ベルギー軍を率いて負傷したオラニエ公王子をたたえるライオンの像がフランスを睨んでいる。
バス停からちょっと歩いて丘のふもとに到着。1e払って、丘に登る。
意外にしゃれにならない226段の階段。
しかし、高い所に登りたがる馬鹿と煙は止められません。
布陣図。青がフランス、赤がイギリス、水色がプロシア、オレンジがオランダ、緑がベルギーだったかな。
斜めのラインが入っているのは砲兵。
激戦の地も、今はのどかな畑に。
空は今にも泣きそうな天候。
やや息切れしながら、古戦場に胸をおどらせ景色を眺めるも、頂上は強風が吹き荒れ、とても落ち着いて景色など見られたものではない。写真撮影しようにも、風で手がぶれて仕方がない。上にいても寒いだけなので5分ほどで退散することに……。
土産物屋で購入したワーテルロー新聞。
戦闘について詳しく書いてあるようだがフランス語なので意味プー。
……え? 俺の第二外国語ですか? フランス語ですが何か?
帰りに、土産物屋によると、ナポレオングッズが山のよう。う〜ん、敵国ですら神格化されるナポレオン、大した物ですね。ひとしきり楽しんだ後、バスで南駅に戻ることに。
この時点で既に午後1時を回っているので、ルクセンブルク行きはもはや不可能。代替案を検討し、フランドルの水の都
列車の中で、ガイドブックを読んで下調べ。何でも、Bruggeとは水路にかかる「橋」と言う意味らしい。12・13世紀にはヨーロッパ第一の貿易港だったが港が機能を失って以来、都市としての進歩が停滞し、中世の町がそのまま残っているらしい。何とも楽しみ。
列車の中で、突如やや禿げた外人に話し掛けられる。
「君は日本人か?」
そうだ、と応えると、「おお、それは幸運だ」などといっている。また、詐欺師か? と警戒する藤。詐欺師吸引率の高い藤としては、警戒せざるを得ない。それを察知したのか、なぜ、日本人を探していたかを説明しだす外人。どうやら、彼は日本語の勉強をしているらしい。そして、唐突にノートに何か書いて差し出し、「これが理解できますか?」と言い出す。
???
いや、理解できるか云々以前に、文字かどうかすら分からないのですが……。分からんので、「何だ?」とたずねると、日本語の教科書らしき物を開いてなにやら説明する。どうやら、日本人にローマ字で記述された日本語を理解する能力があるかを知りたいらしい。してみると、さっきのはアルファベットだったのか……。字、汚すぎるよあんた。
とりあえず、「多分解るんじゃない?」と適当な答えを返しておく。だって、そんなの場合によるって。感謝して去っていく外人。まぁ、頑張り給え。
町につくと、早速informationに向かい、地図を購入。そして、この町はトラムがないようなので、思い切って念願の自転車を借りることにする。informationの姉ちゃんの説明が、イマイチ要領を得ないが、何とかレンタルサイクルの窓口を探し出し、自転車を借りる。レンタル量が6時間で6.5e、保証金が20e。少し高い気もするが、まぁいいでしょう。
一見、新聞配達の自転車のようだが、7段変速つきのすぐれもの。
大和魂号と名づけ、早速町に繰り出すことに。ブルージュの町は水路に囲まれているので、適当に走っていても町から出てしまう恐れはない。地図など見ずに適当に走り回ることにする。さすがに、中世の町並みがそのまま残っている町、何とも風情がある。
しかし、石畳でお尻が痛い。ただでさえ、水分不足(あまりトイレに行けないので水を飲めない)と野菜不足で大佐の品質が悪化して、トイレで紙使いすぎて痔気味だというのに……。
マルクト広場。「マルクト」は多分、マーケット(市場)のことだと思う。
どんな町に行っても、マルクト広場では日用品市が開かれている。
右の塔は鐘楼。2時から3時にかけてカリヨンコンサートが行われる。いい音色。
しかし、困ったことに自転車を借りたおかげで、建物に入ることが出来ない。置いてある自転車が物凄いチェーンをでつなぎとめられているのを見ると、普通の鍵だけかけて置いておくの勇気はちょっと持てない。写真の鐘楼は高さ88メートル。是非登っておきたかったのだが……。
そして、遂に念願の風車発見!強風なのに回っていない!と思ったらワイヤーで固定されてました。もう引退済みか……(そういえば、結局、この後も回っている風車を見たことは無かったですね)。
風車。ベルギーにも風車はあります。
ただ、俺は、この形の風車は嫌い。
きれいな町並みなのですが、曇っていて写真は駄目ですね……。
右が市庁舎、左は公文書館
こんな絵になる町並みも。う〜ん、さすがフランドルの水の都。
愛の湖……らしい。
修道院の隣で愛も糞も無いのでは? と思うのだが……。
修道士の禁断の愛??
町の中心部を一通り見て、周辺部分に行くことに……が、ここからが大変。ヨーロッパは何処でもそうなのですが、自転車は日本のように歩行者と同じ扱いではありません(原則として、歩道の通行は不可)。一般のオートバイと同じように交通規則に従って運転しなければいけません。
ですが……標識の意味が分かりません。しかも、日本と違い右側通行……。
どうやら、「自転車・原付を除き通行止め」の意味らしいが……。
○だけって、そりゃぁ無いよ。
ヨーロッパでは、歩道、二輪車道、車道の3つの区分がある道路が多く、二輪車道があるところでは自転車はそこを走らなければなりません。ただし、この場合には二輪車道内部で右側通行を守ればよいようです。ところが、車道に二輪車専用車線がある場合には、車道の右側通行に従わなければならず、逆走してはいけません。で、この二輪車道が二輪車専用車線に何の前触れも無く変わることが多いのですよ。
結果、慣れていないと逆走する羽目になり、自動車にクラクションをならされるわけです。とほほ。
そんなこんなで、びくびくしながら町の周囲をサイクリング。
鍛冶屋の門
ロバの門
白鳥が草をついばんでいる。のどかだ。
と……、突然の夕立。またか…。とりあえず、びしょびしょになりながら駅まで帰る。止みそうに無いので自転車を返し、もう戻ることにする。
電車の車内で向かいの席に、新婚と思われる日本人カップルが座る。めんどくさいので声はかけないが、会話を聞いて楽しむことに。
どうやら、2人はもう帰国するらしく、お土産をどうしようか? という話をしている。まずは、女の方の父親へのお土産。だんなは、灰皿にでもしたら? と言っているが、妻はこれに反対。妻の話では、10年間ほど毎年誕生日に灰皿をあげつづけて、「もう、灰皿は要らないんですけど……」と言われたらしい。そりゃぁ、10年も同じ物貰いつづけたら……。
次いで、妻の弟への土産の話。どうやら、ネクタイを買うことでほぼ決まりらしい。スーツに合うネクタイを探してくれ、などとだんなに言っている。そんなの知るか、と答えるだんな。そりゃぁ、見たことも無いスーツに合うネクタイなんて解らないし、スーツなんて何着も持ってるだろうし……。が、なおもこの妻は、弟の話をしつづける。どうやら、可愛くて仕方が無いらしい。そんなものなのかね。
曰く、弟は4月から大学卒業して社会人なのが、スーツは1着しか持っていない。それも、リクルート用に買ってもらったやつ。
……え? ちょっと待たれよ。会社勤めするのに、スーツが1着? 毎日同じの着るの? しかも、買ってもらったもののみ? おいおい、こいつは世の中舐めてないか? スーツなんて、バイトでもして自分で買う物だろうが!!! 必要な分だけ自分で変えよ!!!!!
と、間違った怒りが込み上げてきたところでブリュッセル到着。お二人さん、お幸せに〜♪
まださほど遅くないので、宿に戻る前にグランプレス周辺を散策することに。
Manneken Pis(小便小僧)、名前はPetit Julien らしい。
近くに、小便小娘もあるらしいが、発見できず。無念。
Galerie St. Hubert。要は高級商店街。日曜なので店は開いてない。
シャッター時間が長すぎたのでこの写真は異常に明るいが、もっと暗い。
巨大卵チョコレート。卵形チョコレートはキンダ―サプライズだけではない。
ちなみに、ヨーロッパではキンダー無茶苦茶強いです。日本ではサプライズしか見ませんが、様々な製品が有ります。ちなみに……
ヨーロッパで買ったキンダ―サプライズの中身。
日本のような精巧なおもちゃではなく、まさに子供のおもちゃ
おまけつきお菓子に目の無い俺は、ヨーロッパでもキンダ―サプライズ買いました。ええ、向こうでは完全に子供向けなので結構恥ずかしかったですけど、旅の恥は掻き捨てだしね。
燃え盛る市庁舎……ではありません。
夜の市庁舎。まるで火事のような明るさになっているが、もっと暗いです。
何でこのカメラは……夜間は放火仕様になるのか……。
グラン・プラスの近くのEUグッズショップで購入したコンパス。
安物だけど、この後の散策で非常に役に立ちました。
ブリュッセルはEUの本部がありましたね。
9時頃に、宿に戻る。シャワーを浴びて就寝。ベッドの下段の外人のいびきがうるさい。