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藤忍の欧州旅行記

3月20日

帰国の日

今日は、忍が日本に帰国する日です。いや〜一週間、あっという間でしたね。12:00の飛行機なので、2時間前にチェックインするとして、10:00前には空港についておきたい。空港までホテルから40分ほどなので、9:00過ぎにはチェックアウトしなければ……ということで、出立前に観光をすることは不可能だね。

初のユースホステル、相部屋と言うことであまり落ち着いて寝られませんでしたが、とりあえず、7時前に起きて身支度を整え、朝食を取る。朝食は、昨日の「ハードロックバーもどき」と同じ場所。メニューは食パン・ハム・チーズ・シリアル・飲み物でヴァイキング形式。パンがちと固いが、割と美味い。

チェックアウトまで時間がるので、昨晩に続きロビーにあるPCでインターネットに興じる2人。昨日、せっかく書き込みをしたのに全く返事が無い。何て冷たいやつらだ!! 仕方ないので、一番暇そうな森にメールをしておく。本当は、もっと出したかったが、これが意外とめんどくさいのでやめ(その後、森からはすぐにメールが帰ってきていた。やはり良い奴だ)。

その後、Yahoo!!で天気予報を調べると……アムステルダムは雷雨?……。ブリュッセルも右に同じ。おいおい、どうなってるんだよ? と思い、広域の衛星写真を見ると……ヨーロッパ全域が巨大な低気圧に覆われて陸地が見えません。見えるのは大きな渦を巻いた雲のみ。うぁ、ついてね〜。忍が晴男なのか、藤が雨男なのか――。

空港へ

そんなこんなで、9時ごろになったので、忍を見送りに空港へ。


途中で遭遇した謎の像。とりあえず、酒の像と名づけておく。
見るからにいやらしいですねo(^^)o


涙の塔の前で、手を振る忍。
かつて、この塔で女性が出向する船乗りを見送ったという。
ちなみにアムステルダム駅は、手前(撮影者の方向)にある。

駅につくと、前日の誤り(乗り間違い)を繰る返さぬよう、念入りに行き先を確認し電車に乗り込む。30分ほどでSchipholスキポール空港に到着。

なぜか、営業停止状態の寂しさだったので、係員にマレーシア航空のカウンターを尋ねると、隣の第二ターミナルとのこと。えっちらおっちら移動して、チェックインをすます。

その後、忍はお土産を購入。チョコやチーズを購入する。話によると、オランダはチーズは非常に安いとのこと。そういえば、忍は買ったチーズをちゃんと冷蔵庫に入れているだろうか? 常温で腐らせているに違いない、と思うのは信用しなさ過ぎだろうか?

10:30ごろに、忍は出発ロビーに向かう。俺は、そこまでは入れないので、ここでさようなら。忍、気をつけて〜。


空港で涙ながらに分かれる二人。え? 輪郭が笑ってるって?
……そういえば、この日は寒かったなぁ。マフラーしてるよ。

というわけで、ここからは藤の一人旅ですよ……不安だ……。

というか、忍からユーロを貰っておくのと、コンパスを借りておくのを忘れてました……。

アントワープへ

ここからは、一人旅。頼れるものは己のみ。頑張らねば……。

とりあえず、列車に乗り込む。と、……足の不自由な、目の逝っちゃってる外人に、なにやら話し掛けられる。……が、オランダ語なので全くもって意味が解らない。仕方が無いので、手を上げて「イミワカリマセーン」と合図をするも、この人、全く意に介さずに話しつづける。

怖くなった藤は、隣の車両に逃亡……。

(いやね、オランダは薬物やってるの本当に多いから、マジで怖いんですよ。ほんと。)

どうも、ヨーロッパに来て以来、こういう得体の知れない人間に良く絡まれる。なぜ、忍ではなく、俺ばっかり……。やはり俺は「隙だらけ」なのでしょうか?


相棒を失い、顔色も暗い藤。ダメージは大きいようだ。
え? 写真いじっただろうって? いやいやいや……。

まぁ、それはともかく、ブリュッセルに向かう。ただ、ブリュッセルまで一直線に行っても面白くない。せっかく乗り放題のパスがあるのだから、どこかで途中下車しよう。

候補地としては、ライデン・ハーグ・ロッテルダム・ドルドレヒト(以上オランダ)、アントワープ(ベルギー)。うーん、オランダはどうせ後で回れるし、アントワープは世界史でも出てきたし、なんか忍も行きたいって行っていたし、ということでアントワープに決定。とりあえず、ガイドブックを眺めながら列車の旅を楽しむことに。

ガイドブックによると、どうやら、アントワープはフランダースの犬ルーベンス(彫刻家?)で有名らしい。どっちも全く興味ないが、まぁ、行けば何かあるだろう。

アントワープ着

とりあえず、二時間強でつきました。さっそく、鬱陶しい荷物をコインロッカーに預ける。そして、Travel Informationへ。ろくに下調べしておらず、何があるのやらさっぱり解らないので、聞いてみるしかない。City Mapが欲しい、と言うと向こうは、「ニホンジンデスカー」と聞いてくる。どうやら、日本語を話せるようだ。この旅行で初めてまともに日本語の通じる外人に出会え、気を緩める藤。

しかし、なぜか会話は、職員は日本語、藤は英語という意味不明な流れに……

藤:Hello! Excuse me? Ah.. I need a map of this city. Do you have?

職員:Hello? ニホンジンデスカー?

藤:Yes...

職員:オー、ワタシ、ニホンゴシャベレマース。コンニチハ。マップ? ココ、ニホンゴノチズアリマース。ムリョウデース。

藤:Oh. It's free?

職員:ハーイ、マズ、ミテクダサーイ。ココ、シティノチュウシンネ。フルイフルイタテモノイッパーイ。

藤:Ok. Ok.

職員:コノ、ステーションノマエノトオリ、マッスグアルケバツキマース。ダイタイニジュップーン。

藤:OK, Twenty minutes on foot?

職員:ハーイ、ヤクニジュップーン。ココニ、オオキナオオキナキョウカイアリマース。

藤:Oh. Big Church?

職員:ハーイ、エート、サンジマデハイレマース。

藤:Untill fifteen o'clock?

職員:ハーイ、ソデース。コッチニハ、ルーベンスノハウスアリマース。

藤:Rubens's house?

職員:ソウデース。デハ、タノシンデキテクダサーイ。

藤:OK. Thank you very much. Goodbye!

職員:サヨナラー

うん、今思い起こしてみると、俺は何やってんだろうね? 多分、日本語使うのが恥ずかしかったんだろうね。まぁ、それはともかく、ただでかなり充実した資料も貰い、日本語を話せる相手に会ったのが嬉しくて意気揚揚と散策に出ることに。


アントワープ駅。予報どおりの雨。

大通りを北に歩いていくと、聞いていたとおり20分弱で広場の前に出る。でかい教会の名前は、ノートルダム大寺院。まだ中に入れる時間だが、もう教会はお腹一杯なので遠慮しておく。


雨の中のノートルダム大寺院。
広場では学生達がなにやらやっている。

ガイドブックによると、ノートルダム大寺院の前に、「『ネロとパトラッシュ』記念ベンチ」が建設予定らしいが……建設している気配は微塵も無い。どうやら企画倒れのようだ。わりと駄目な町らしい。


こちらは市庁舎。かなり立派な建物です。

異国で迷子に……

とりあえず、中心地についたので周囲を散策することに。教会の周りを一回りしたら、次はちょっと西に行ってみることに……が、これが大きな誤りでした。

私は結構方向感覚には自信があったのですが、ヨーロッパのぐちゃぐちゃした町並みで、かつ全く地理勘の無い状態ではあっさり迷子になりました。何しろ、太陽が見えないので方角がわからない。道路はまっすぐなようでじわりじわりと曲がりくねっている。地図板はたまにあるが、現在地が無かったり、方角が解らなかったり。結果、3時間ほど人のほとんどいない街中をさまようことに。地図を手に持って、見ながら歩けばこんなことは起きないんですが、治安の面とかもあるので、地図を開いて、さも「観光客です」というオーラを発して歩き回るわけにはいかないんですよね。


日本料理店OSAKA。
この時点では、こんなもの撮ったりしてわりと余裕があったのね。

えぇ、ヨーロッパは土日は本当に一部の繁華街以外は人がいないんですよ。それはもう、怖いくらい。あぁ、忍からコンパスを借りておけば……。雨の中、スニッカーズをかじりながら、さまよう東洋人は、地元の人から見たら、さぞ不気味だったでしょうね。

地元の人に道を聞くのもなにか癪なので、4時までは頑張ろうと心に決め、歩き回る。


本格的に迷子に。途方にくれる藤。
ここは、何処……ですか? しかし、髭が酷いな。

しかし、まぁ、困った時は動き回るよりは頭を使う方が良いわけで……。最終的には、トラム(路面電車)を発見し、その経路図を解読し、線路にそって歩いていくことで何とか中央駅に戻って来られました。えがった、えがった。後で調べたとこと、貰った地図の範囲外の、まるで見当違いな所をさまよっていたようです。この体験で、「コンパスを買おう」と固く誓ったのでした。

教訓 「何も考えずに行動するのは危険」 ……何を今更

散策再び

戻ってきたので、気を取り直してまた大寺院の所までいくことに。目的は、「ワッフルを食べながらぶらぶらする」こと。うん、やっぱりベルギーといったらワッフルでしょう!


駅の高架下。土曜なので休みの店が多いが、ずーっと宝石店が並ぶ。
そういえば、ベルギーはダイヤモンド研磨大国でしたね。まぁ、俺には関係ないや。

とりあえず、例の大通りをまた北に。途中でワッフルを購入。1.4eなり。で、アツアツのワッフルをほおばる。いやぁ、美味美味。マジで美味い。幸せ! で、ぶらぶらしてると、今度はルーベンスの家を発見しました。


ルーベンスの家の前でワッフルをほおばる。
締まってましたが、元々入る気無いし。

ルーベンスって映画にもなってる人らしいけど、俺、全く解らないんだよね。ごめんなさい。

ちょっと催してきたので、マックでトイレを借りる。……やはり、ここもトイレの前におばちゃんがいて……有料制でした。オランダよりはちょっと安めの0.3e。しかし、この見張り人の人件費、絶対に無駄だよなぁ。

その後、大寺院から更に北に行って、海(河口)に出ます。


シュヘルド川の上流を撮る。体が飛ばされそうな強風。


川沿いには小さなお城(現海洋博物館)が。

そして、城の前には楽しげな巨人の像が…。


路地に入ると、こんな絵になる小通りが。


そして、こんな像も。
えーっと、女ストリーキングの記念碑ですか?

一通り満喫したので、ウィンドウショッピングに興じながら、中央駅へ。中央駅からブリュッセルに向かう。


中央駅内部。何とも趣のある駅です。
しかし、この日の写真はボケすぎだな。

ブリュッセルへ

列車で1時間ほどでブリュッセルの北駅に到着。北駅周辺はオフィス街のようで、かなり整備されている、また、土曜の夕方なので人は全くいない。

そして、何より、雨が―――とんでもない風が―――おかしいって、これ


酷いよ。駐禁の標識が風でぶっ飛ばされてるし。
つーか、リュックしょってると強風で歩きにくい。

えっちら、おっちら、歩いて宿に到着。昨日のところと比べると、えらく不親切だが、安いので仕方が無い。


ブリュッセルのユース。6人部屋。
ロッカーはあるが、鍵は自前の南京錠を使う。
とりあえず、小さい南京錠を購入。

とりあえず、部屋に入ってシャワーを浴びて一服。

このユースで、日本人、Y君と同室になる。これも何かの縁ということで、一緒に晩飯を食いに行く事に。レストランに行くもメニューが全くもって解らない。お互いに日本でも、こんな店は要らないのでマナーも解らない。とりあえず、店の前に掲示されていた一人20e強で軽いコースを食べる。うーん、肉堅すぎ。あんまし美味くない。失敗? 機内食の肉もそうだったが、どうも今回は堅い肉に当たる。

10時ごろに戻って、あとは寝るだけ。明日の計画を立てて、眠りにつく。明日は、ワーテルローとルクセンブルクに行く予定。ビールを飲んだのでよく眠れます。おっ休みなさーい。


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